動的モデル 原始関数, 不定積分, 部分積分法
原始関数
与えられた関数について, を導関数とする関数をの原始関数とよぶ. すなわち,
から原始関数を求めることを積分するという. また, はの被積分関数とよばれる.
がの原始関数であるとき, 任意の定数について, はの原始関数である.
不定積分
関数の原始関数全体をの不定積分とよび, と表す.
例
の原始関数は
積分の基本公式
- $\int (f(x) ± g(x)) dx\\ = \int f(x) dx ± \int g(x) dx$
基本関数の積分
8の証明
を微分可能でとし, とおく, ここで, とおく.
ここで, として, 合成関数の導関数の公式を用いれば,
よって,
両辺を入れ替え, 積分すると
ここで, とすると, の定義域で
よって, $$\int \tan x dx\\ = \int \frac{\sin x}{\cos x} dx\\ = -\int \frac{(\cos x)'}{\cos x} dx\\ = -\log |\cos x| + C$$
部分積分法
微分可能な関数とについて, $$\int f(x)g'(x) dx\\ = f(x)g(x) - \int f'(x)g(x) dx$$ が成り立つ.
証明
積の微分法の公式より
これを変形し, この式の両辺を積分すると, 与式が得られる.
例
の積分を考える. とおく.
よって部分積分法より,
$$\int x \cos x dx\\ = \int f(x)g'(x) dx\\ = f(x)g(x) - \int f'(x)g(x) dx\\ = x \sin x - \int \sin x dx\\ = x \sin x + \cos x + C$$
演習問題
なんと今回は授業中に演習問題を提出することができました. 今回の演習問題は難易度が低かったみたいですね.